受付時間は8:30~11:45 14:30~18:15まで

アレルギー性鼻炎 
治療に関して 当院では内服治療、レーザー下甲介粘膜焼却術、そして舌下免疫療法を保険診療で行っております。ステロイド注射による治療は耳鼻咽喉科学会では副作用の観点から推奨されておらず、当院でも行っておりません。

アレルギー性鼻炎は透明鼻汁、鼻閉、くしゃみなどの症状が引き起こされる病気です。刺激になるアレルゲンが鼻粘膜から侵入し免疫反応が起こることにより引き起こされます。原因により通年性アレルギー性鼻炎(一年を通じて症状が出るタイプ)と季節性アレルギー性鼻炎(春だけなど一時的に症状が出るタイプ)に分かれます。症状及び診察時の鼻粘膜の腫脹を確認し診断します。採血によりIgE抗体を確認し原因を確認できます。
治療としてはまずは抗原の暴露を避けること、ダニHDなどによる通年性アレルギー性鼻炎にかんしては室内のこまめな掃除が重要です。季節性の場合には花粉を避けるためマスクの着用、メガネの着用も効果的です。薬物療法としては鼻汁、くしゃみに効果的な抗ヒスタミン剤、鼻閉に効果的なロイコトリエン拮抗薬、外用薬としてステロイド点鼻を使用します。小青竜湯も麻黄が含まれていますので効果的です。
唯一根本的な治療としてアレルゲン免疫療法があり注射による皮下免疫療法と薬を舌の下に入れる舌下免疫療法があります。当院では舌下免疫療法を行っています。
又レーザーによる下甲介粘膜焼却術も行っており初診3割負担で一万円程度の治療となります。


副鼻腔炎 額の奥の前頭洞、目の奥の篩骨洞、蝶形骨洞、頬部の上顎洞が副鼻腔と呼ばれる場所です。お鼻(鼻腔)と小さい穴でつながっています。副鼻腔には薄い粘膜があり粘液を出していて細かい毛(線毛)が動いて粘液を鼻腔のほうに押し出しています。細菌、ウイルス感染で炎症を起こし鼻腔への排出がうまくできないと本来空気しかない副鼻腔に粘液がたまりそこに感染を起こして膿がたまるのが急性副鼻腔炎です。結果眼や頬のあたりの痛みを感じ膿性鼻汁が出るようになります。治療は薬物の内服、ネブライザー療法となります。薬物には抗生剤の使用及び鼻汁排出を促すムコダインなどを使用します。線毛の働きをよくして排出をより効果的にするマクロライド系抗生物質の長期投与も行われます。通常1か月ほどで軽快します。急性副鼻腔炎を繰り返したり長引き3か月以上続くと慢性副鼻腔炎となります。薬物療法で治らない場合は内視鏡下手術となることもありその場合には関連病院での治療をお願いしています

 

鼻中隔湾曲症 鼻の中を左右に分けている鼻中隔が曲がってしまうために鼻閉、嗅覚障害などが出てしまうことがあります。鼻の中の骨、軟骨は成長とともに大きくなるのですが、鼻中隔軟骨の発達が盛んになり鼻中隔が曲がってしまうことがあるのが原因です。通りが根本的に悪いので鼻閉などの症状が出ることがあります。治療としては手術が基本となります。

嗅覚障害 お鼻の奥、ある嗅粘膜にある嗅神経に空気に混じったものが粘液に溶け込んで脳に伝わってにおいを感じます。この経路に問題があると嗅覚障害を起こすことになります。副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症などでにおいがとどかない気導性嗅覚障害、嗅神経がダメージを受けた嗅神経性障害、脳の病気による中枢性嗅覚障害に分けられます。主に耳鼻咽喉科で治療するのは前二つの疾患です。検査としては静脈性嗅覚検査(ビタミン剤のアリナミンを注射し静脈から肺を通って吐く息の中に注射薬が持つにおいが鼻の後ろから感じられるかのテスト)、鼻腔ファイバースコープ検査、CTなどを行います。治療は原因疾患の治療、鼻洗浄、点鼻、内服薬になります。原因疾患によっては手術になることもあります。嗅神経は脳神経の中で唯一再生する脳神経といわれ嗅覚刺激療法というリハビリテーションも有効です。ヨーロッパにはスティックになっていて様々なにおいを感じる治療がありますが、日本には残念ながらありません。色々なにおいをかぐことを習慣づけていくのも大切です。